気づいてくれる?
(松浦さんもミステリー好きなのかな?)
再会もだけれど、同じ本を手にしていることも嬉しくて、松浦さんの顔と手の中の本を交互に見てしまった。
そんな私の視線があまりにぶしつけだったのか、他の本を見ていた松浦さんの視線が私と交差した。
「こんばんは…」
焦った私は小さな声をだし笑顔で会釈した。
だって、松浦さんとは今日会ったばかりだから。
話もしたし、冗談もいい合ったから。
私は松浦さんを知っていたから。
…だけど、松浦さんは怪しげに私をみて、小さく頭を傾げただけで、また本棚に目線を戻した。
……そうか、私は気付かれないのか。
松浦さんにとって私は知らない人なのだ。
当たり前だ。
私はマスク姿しか彼に見せていない。
それに、治療中、松浦さんは目を閉じていたし。
ていうか、目を開けられているほうがこっちは困る。
だから、マスクの下の素顔の私に気づくはずかないのだ。
「…そんなもんだよね…」
また出てしまった独り言に苦笑し、私はレジへと向かった。
再会もだけれど、同じ本を手にしていることも嬉しくて、松浦さんの顔と手の中の本を交互に見てしまった。
そんな私の視線があまりにぶしつけだったのか、他の本を見ていた松浦さんの視線が私と交差した。
「こんばんは…」
焦った私は小さな声をだし笑顔で会釈した。
だって、松浦さんとは今日会ったばかりだから。
話もしたし、冗談もいい合ったから。
私は松浦さんを知っていたから。
…だけど、松浦さんは怪しげに私をみて、小さく頭を傾げただけで、また本棚に目線を戻した。
……そうか、私は気付かれないのか。
松浦さんにとって私は知らない人なのだ。
当たり前だ。
私はマスク姿しか彼に見せていない。
それに、治療中、松浦さんは目を閉じていたし。
ていうか、目を開けられているほうがこっちは困る。
だから、マスクの下の素顔の私に気づくはずかないのだ。
「…そんなもんだよね…」
また出てしまった独り言に苦笑し、私はレジへと向かった。