清廉の聖女と革命の鐘

「久しぶりに姫の犬との再会か。腕がなるな」

「お久しぶりです、先代の犬。年老いても相変わらずの剣裁きですね、感嘆します」

皮肉混じりの吐かれる言葉はかなりの棒読みだ。栗色の髪の下から涼しい微笑をのぞかせ、ブルーノは剣をおさめた。

「お前も相変わらず生意気な小僧だな。一から叩き直してやろうか。そこの腰抜け国王と一緒にな」

剣を再度構えたギルバートに、我慢の限界がきたのか青筋を立てた国王が怒鳴った。

「どいつもこいつもっ…私を誰だと思っているんだ!私がこの国の国王だぞ!」

「落ち着いてください、お父様。それは皆、分かっております」

「ふんっ
なら文句はないなクリスティーナ。後で詳細を伝える」

まだ話は終わってない_と引き止めても、頭に血が上った父親には聞き入れてもらえないだろう。仕方なくそのまま父親を見送る。ギルバートが肩をすくめた。
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