結構な腕前で!
序章
「よし、決めた」
一か月余り悩んだ末、萌実(もえみ)は入部届を書き込んだ。
「え、とうとう茶道部に入ることに決めたの?」
友達の佐弥子(さやこ)が萌実の手元を覗き込んで言う。
「あんた、茶道の心得なんてないじゃん」
「だってやっぱ、先輩にお近づきになれるチャンスだもん」
大好きな先輩。
中学のときから目を付けていたのだ。
「喋ったこともないんでしょ?」
「だからこそよ! 部活が同じなら、絶対話せるし! 初心者だから、手取り足取り教えて貰えるでしょ?」
ふふふ、と笑う。
茶道に『手取り足取り』はないと思われるが、佐弥子は若干引きつつも、暖かく友人を見守った。
一か月余り悩んだ末、萌実(もえみ)は入部届を書き込んだ。
「え、とうとう茶道部に入ることに決めたの?」
友達の佐弥子(さやこ)が萌実の手元を覗き込んで言う。
「あんた、茶道の心得なんてないじゃん」
「だってやっぱ、先輩にお近づきになれるチャンスだもん」
大好きな先輩。
中学のときから目を付けていたのだ。
「喋ったこともないんでしょ?」
「だからこそよ! 部活が同じなら、絶対話せるし! 初心者だから、手取り足取り教えて貰えるでしょ?」
ふふふ、と笑う。
茶道に『手取り足取り』はないと思われるが、佐弥子は若干引きつつも、暖かく友人を見守った。
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