結構な腕前で!
「そんなに頭振ったら、気持ち悪くなるわよ」
少し笑いながら言い、はるみはまた、せとかに視線を戻した。
「さ、そろそろ加勢に行きましょうよ。萌実さんの意思は固そうだし、せとみに流されることもないでしょ」
「そう……ですか? じゃあまぁいいでしょう」
いかにも嫌そうに、せとかが再び扉に手をかけた。
「じゃ行きますか。多分せとみが結構片付けてると思うので、土門は掴めそうなやつで、まだ仕留められていないものがあれば、それをお願いします。元気なやつは避けてくださいよ」
「承知」
「では」
ぎ、と扉が開かれる。
途端に黒せとみの罵声が聞こえてきた。
「おらおらおらぁ! 俺様に敵うと思ってんのか! 魔のくせしてよぉ!」
はっはっは、と魔王のように笑いながら、せとみが道場内を縦横無尽に駆けている。
うようよと漂う煙よりも、よほどこちらのほうが魔っぽいのだが。
---こんな状態、絶対この人、あっという間に私のことなんて放ったらかしにするわ---
楽しそうに戦っているせとみを見、萌実はため息をついた。
「全くいつもながら、後先考えない処理の仕方です」
ふと横を見ると、同じようにため息をつくせとかがいる。
やはりせとかは、こういう場では萌実の傍にいてくれるのだ。
---やっぱりせとみ先輩とは違うわ。私の目に狂いはない---
しみじみ思いつつ、萌実は道場内を見た。
いたるところに煙の欠片が散らばり、もうほとんど片付けられている。
動いているのは今せとみに攻撃されている一体だけだ。
「何だかんだで、せとみ先輩もやるときはやるんですね」
手あたり次第ぶちのめしているだけなので、周りはえらいことになっている。
だが散らばっている残骸から見て、少なかったわけではなさそうだ。
それを一人で仕留めたわけである。
少し笑いながら言い、はるみはまた、せとかに視線を戻した。
「さ、そろそろ加勢に行きましょうよ。萌実さんの意思は固そうだし、せとみに流されることもないでしょ」
「そう……ですか? じゃあまぁいいでしょう」
いかにも嫌そうに、せとかが再び扉に手をかけた。
「じゃ行きますか。多分せとみが結構片付けてると思うので、土門は掴めそうなやつで、まだ仕留められていないものがあれば、それをお願いします。元気なやつは避けてくださいよ」
「承知」
「では」
ぎ、と扉が開かれる。
途端に黒せとみの罵声が聞こえてきた。
「おらおらおらぁ! 俺様に敵うと思ってんのか! 魔のくせしてよぉ!」
はっはっは、と魔王のように笑いながら、せとみが道場内を縦横無尽に駆けている。
うようよと漂う煙よりも、よほどこちらのほうが魔っぽいのだが。
---こんな状態、絶対この人、あっという間に私のことなんて放ったらかしにするわ---
楽しそうに戦っているせとみを見、萌実はため息をついた。
「全くいつもながら、後先考えない処理の仕方です」
ふと横を見ると、同じようにため息をつくせとかがいる。
やはりせとかは、こういう場では萌実の傍にいてくれるのだ。
---やっぱりせとみ先輩とは違うわ。私の目に狂いはない---
しみじみ思いつつ、萌実は道場内を見た。
いたるところに煙の欠片が散らばり、もうほとんど片付けられている。
動いているのは今せとみに攻撃されている一体だけだ。
「何だかんだで、せとみ先輩もやるときはやるんですね」
手あたり次第ぶちのめしているだけなので、周りはえらいことになっている。
だが散らばっている残骸から見て、少なかったわけではなさそうだ。
それを一人で仕留めたわけである。