結構な腕前で!
「萌実さんと帰るの、久しぶりよね~。いっつもせとみが掻っ攫うしさ」
「ああ……。まぁ一緒に帰ると言っても、町までなんですけどね」
「そうなの? 中途半端ねぇ」
他愛もない話をしながら、山道を歩いていく。
萌実は内心せとかが気になって仕方ない。
先の言葉だけを聞かれていたとしたら、まるで萌実がせとみに気があるようにも聞こえるのではないか?
---つか、せとか先輩は私とせとみ先輩が付き合うことについてはどうなんだ?---
もちろんそんな気はないが、はるかよりはマシ、とか思うのだろうか。
「ねぇ、たまにはご飯でも食べて帰らない?」
町に入ったところで、はるみが振り返った。
「いいですね。では『拾(じゅう)』に行きましょう」
「せとか、好きねぇ」
笑いながら、はるみは萌実を誘った。
「萌実さんも、構わないかしら。ちょっと引くかもしれないけど」
「ええ」
何のことだろう、と思ったが、せとかとのプライベートな付き合いが増えることには依存ない。
軽く頷き、三人はいつもの商店街へ向かった。
暖簾を潜ったのはお好み焼き屋だ。
チェーン店のような小洒落た店ではなく、個人経営の古く小さな店である。
「豚玉とそば飯、チーズ餅玉。あ、あと卵オプションで」
席に着くなり、せとかが店のおばちゃんに言う。
おいおいこっちの希望はなしか、と思っていると、はるみが壁を指差した。
「萌実さんは何にする? オプションでトッピングもつけられるわよ」
「へ? えーと、じゃあ鶏つくね玉……」
「トッピングはいらない? じゃ私はエビチリ玉の卵トッピング」
おばちゃんが、はいよ、と言って奥に引っ込む。
萌実は首を傾げた。
都合五枚の注文だ。
もしかして、ここのお好み焼きは小さいのだろうか、と思ったが、運ばれてきたタネを見ても量は普通だ。
むしろ普通より多いような。
「ああ……。まぁ一緒に帰ると言っても、町までなんですけどね」
「そうなの? 中途半端ねぇ」
他愛もない話をしながら、山道を歩いていく。
萌実は内心せとかが気になって仕方ない。
先の言葉だけを聞かれていたとしたら、まるで萌実がせとみに気があるようにも聞こえるのではないか?
---つか、せとか先輩は私とせとみ先輩が付き合うことについてはどうなんだ?---
もちろんそんな気はないが、はるかよりはマシ、とか思うのだろうか。
「ねぇ、たまにはご飯でも食べて帰らない?」
町に入ったところで、はるみが振り返った。
「いいですね。では『拾(じゅう)』に行きましょう」
「せとか、好きねぇ」
笑いながら、はるみは萌実を誘った。
「萌実さんも、構わないかしら。ちょっと引くかもしれないけど」
「ええ」
何のことだろう、と思ったが、せとかとのプライベートな付き合いが増えることには依存ない。
軽く頷き、三人はいつもの商店街へ向かった。
暖簾を潜ったのはお好み焼き屋だ。
チェーン店のような小洒落た店ではなく、個人経営の古く小さな店である。
「豚玉とそば飯、チーズ餅玉。あ、あと卵オプションで」
席に着くなり、せとかが店のおばちゃんに言う。
おいおいこっちの希望はなしか、と思っていると、はるみが壁を指差した。
「萌実さんは何にする? オプションでトッピングもつけられるわよ」
「へ? えーと、じゃあ鶏つくね玉……」
「トッピングはいらない? じゃ私はエビチリ玉の卵トッピング」
おばちゃんが、はいよ、と言って奥に引っ込む。
萌実は首を傾げた。
都合五枚の注文だ。
もしかして、ここのお好み焼きは小さいのだろうか、と思ったが、運ばれてきたタネを見ても量は普通だ。
むしろ普通より多いような。