結構な腕前で!
「けっ情けねぇ」
「せとみこそ、余裕あるとは言えないんですからね。とっとと終えて勉強しないと。てことで南野さん、さっさと始めましょう」
文机に広げた参考書を前に、萌実は姿勢を正した。
せとかが問題を解いていく。
「せとみも突っ立ってないで、勉強したらどうです。前のテストも散々だったじゃないですか。留年する気ですか」
「そしたら萌実ちゃんと同学年になるな」
途端にへら、と笑って、せとみがどすんと萌実の横に座る。
「せとみ先輩には真行寺先輩がいるじゃないですか。あの人と組んだら、結構無敵なんじゃないですか? 魔と戦う力もあるんでしょ?」
萌実が言うと、せとみは眉間に皺を刻んだ。
何故かせとかも渋い顔をしているが。
「不思議なんですけど。何でせとみ先輩は、そんなに真行寺先輩を嫌うんです? せとみ先輩を慕うが故の強引さでしょ? 手に入れたらあの強引さも必要なくなるじゃないですか」
「萌実ちゃんは、俺に人身御供になれっての?」
「そうは言わないですけど。何でそこまで嫌がるのかな、と思って。あそこまで好いてくれるのって嬉しいもんじゃないですか?」
「嬉しいもんかよ」
け、と馬鹿にしたように言い、せとみは参考書をぱらぱらめくる。
そうは言いながらも、何となく落ち着かないようだ。
「ちょっと真剣に話し合ったらどうですか?」
「何だよ萌実ちゃん。何でそんなにあいつを推すの」
「だって真行寺先輩が真剣にせとみ先輩を好きなら、今の状況って結構辛いと思うんです」
思わぬ萌実の言葉に、せとみはぎょっとしたように動きを止めた。
「先輩、きちんと彼女と話をしたことありますか?」
「きちんとったって、初めからあのテンションだったんだぜ」
「せとみこそ、余裕あるとは言えないんですからね。とっとと終えて勉強しないと。てことで南野さん、さっさと始めましょう」
文机に広げた参考書を前に、萌実は姿勢を正した。
せとかが問題を解いていく。
「せとみも突っ立ってないで、勉強したらどうです。前のテストも散々だったじゃないですか。留年する気ですか」
「そしたら萌実ちゃんと同学年になるな」
途端にへら、と笑って、せとみがどすんと萌実の横に座る。
「せとみ先輩には真行寺先輩がいるじゃないですか。あの人と組んだら、結構無敵なんじゃないですか? 魔と戦う力もあるんでしょ?」
萌実が言うと、せとみは眉間に皺を刻んだ。
何故かせとかも渋い顔をしているが。
「不思議なんですけど。何でせとみ先輩は、そんなに真行寺先輩を嫌うんです? せとみ先輩を慕うが故の強引さでしょ? 手に入れたらあの強引さも必要なくなるじゃないですか」
「萌実ちゃんは、俺に人身御供になれっての?」
「そうは言わないですけど。何でそこまで嫌がるのかな、と思って。あそこまで好いてくれるのって嬉しいもんじゃないですか?」
「嬉しいもんかよ」
け、と馬鹿にしたように言い、せとみは参考書をぱらぱらめくる。
そうは言いながらも、何となく落ち着かないようだ。
「ちょっと真剣に話し合ったらどうですか?」
「何だよ萌実ちゃん。何でそんなにあいつを推すの」
「だって真行寺先輩が真剣にせとみ先輩を好きなら、今の状況って結構辛いと思うんです」
思わぬ萌実の言葉に、せとみはぎょっとしたように動きを止めた。
「先輩、きちんと彼女と話をしたことありますか?」
「きちんとったって、初めからあのテンションだったんだぜ」