結構な腕前で!
「何より魔が、あなたを恐れている」
「えっ?」
「大人しかったでしょう。魔なんて、人に見つかったらすぐに襲い掛かるんですのよ。それが、あなたにはひたすら見つからないように小さくなっていたというか」
「だからわかんなかったんですかね。魔って普通、もわんと煙状で湧いて出るじゃないですか。あれは元々湧いてましたもんね」
ぽん、と手を叩いて萌実が言うと、由梨花は妙な表情で顔を上げた。
「道場は、すでに湧いた魔でいっぱいではないの。あそこは魔ホイホイでしょう」
「う~ん。でも道場の魔は、私を見てもビビらないです。せとか先輩と協力して一気に殲滅しちゃうから、恐れられてるとかもわからないですし」
へら、と萌実が言うと、由梨花が、じ~~っと穴が開くほど萌実を見た。
「道場なのに、せとみ様と組むのではなくて、根暗部長と協力ですって?」
言いつつ、じりじりと顔を近づける。
その形相に、思わず萌実は身構えた。
「馬鹿じゃないの! 道場の管轄はせとみ様でしょう!」
「とか言って、私がせとみ先輩と協力したら、それこそ怒るくせにーっ」
「お黙り! このわたくしが、そんな小さい女だと思うの?」
釘を刺しておいて何を言ってるんだか。
せとみに近付くなと言ったり、道場ではせとみと協力しろと言ったり、全くややこしい。
「根暗部長も、何をしゃしゃり出てきているのかしら! 根暗部長のくせに、せとみ様をないがしろにするなんて! 失礼にもほどがありますわ!!」
由梨花の物言いのほうが、よっぽど失礼である。
「……あのぉ。真行寺先輩は、人の力を見る能力があるんでしょう? だったらせとか先輩の力だって、わかるはずでしょう?」
「奴の力は深すぎて、はっきりとわかりませんの。暗いくせに、火山のような奴ですわね」
ふん、と荒い鼻息を吐き、由梨花は前のめりになっていた身体を戻す。
圧迫感がなくなり、萌実も仰け反っていた身体を戻した。
「えっ?」
「大人しかったでしょう。魔なんて、人に見つかったらすぐに襲い掛かるんですのよ。それが、あなたにはひたすら見つからないように小さくなっていたというか」
「だからわかんなかったんですかね。魔って普通、もわんと煙状で湧いて出るじゃないですか。あれは元々湧いてましたもんね」
ぽん、と手を叩いて萌実が言うと、由梨花は妙な表情で顔を上げた。
「道場は、すでに湧いた魔でいっぱいではないの。あそこは魔ホイホイでしょう」
「う~ん。でも道場の魔は、私を見てもビビらないです。せとか先輩と協力して一気に殲滅しちゃうから、恐れられてるとかもわからないですし」
へら、と萌実が言うと、由梨花が、じ~~っと穴が開くほど萌実を見た。
「道場なのに、せとみ様と組むのではなくて、根暗部長と協力ですって?」
言いつつ、じりじりと顔を近づける。
その形相に、思わず萌実は身構えた。
「馬鹿じゃないの! 道場の管轄はせとみ様でしょう!」
「とか言って、私がせとみ先輩と協力したら、それこそ怒るくせにーっ」
「お黙り! このわたくしが、そんな小さい女だと思うの?」
釘を刺しておいて何を言ってるんだか。
せとみに近付くなと言ったり、道場ではせとみと協力しろと言ったり、全くややこしい。
「根暗部長も、何をしゃしゃり出てきているのかしら! 根暗部長のくせに、せとみ様をないがしろにするなんて! 失礼にもほどがありますわ!!」
由梨花の物言いのほうが、よっぽど失礼である。
「……あのぉ。真行寺先輩は、人の力を見る能力があるんでしょう? だったらせとか先輩の力だって、わかるはずでしょう?」
「奴の力は深すぎて、はっきりとわかりませんの。暗いくせに、火山のような奴ですわね」
ふん、と荒い鼻息を吐き、由梨花は前のめりになっていた身体を戻す。
圧迫感がなくなり、萌実も仰け反っていた身体を戻した。