結構な腕前で!
「さっきの攻撃だって、特に後ろを振り向かないまま攻撃しましたよね? てことは、魔の気配を感じ取ったってことじゃないですか?」
「そうね。そりゃ、それぐらいできないと対応できないでしょう? まさかあなた、気配も全く感知できないの?」
そう言われると微妙だ。
今まで散々魔に対応してはきたが、はたして気配を察知してきただろうか。
目に見えてからだったようにも思う。
「集中力が足りない証拠ですわね~。座禅のほうがよろしいんじゃなくて」
「確かに何かやってたら、そっちに気を取られてしまうし。お花活けてたら、いろいろ考えるし」
「心のままに活けるってことができれば問題なしですけどね」
「考えなしに活けるってことですか」
「言い方が悪い。考えなくてもきちんと選んだお花に合うよう活けられるってこと」
「それぐらい余裕があれば、他に神経を集中してても活けられるということですか」
「まぁそうね。そこまで集中してなくても、わたくしたちのように、それなりの力がある者からすれば、それこそ湧いた瞬間にわかるものですけどね」
そういうものか。
ある程度の力があれば、魔に対する感覚も優れている、というのであれば、萌実は誰より早く魔を察知できるはずだ。
何せ萌実の力はせとかのお墨付きなのだから。
「じゃあとりあえず、心静かに集中してみます」
そう言って、萌実は目を閉じた。
まさに座禅のように、静かに心を落ち着ける。
まずは目を瞑っていても魔がわかるように、つまり魔の気配を掴むことができるようにならなければ。
早く茶道部に帰りたい。
部活がなかったら、せとか先輩に会うこともできない。
先輩、ちょっとは寂しがってくれてるかなぁ。
いやいや、こんなことを考えてたら、そっちに気持ちが持って行かれて他に気が回らない。
集中集中……。
凡人は目を閉じると余計にいろいろ考えてしまうものだ。
気が散ってしょうがない。
魔、魔……と呪文のように唱えながら、萌実は頑張って無理やり思考を魔でいっぱいにするのであった。
「そうね。そりゃ、それぐらいできないと対応できないでしょう? まさかあなた、気配も全く感知できないの?」
そう言われると微妙だ。
今まで散々魔に対応してはきたが、はたして気配を察知してきただろうか。
目に見えてからだったようにも思う。
「集中力が足りない証拠ですわね~。座禅のほうがよろしいんじゃなくて」
「確かに何かやってたら、そっちに気を取られてしまうし。お花活けてたら、いろいろ考えるし」
「心のままに活けるってことができれば問題なしですけどね」
「考えなしに活けるってことですか」
「言い方が悪い。考えなくてもきちんと選んだお花に合うよう活けられるってこと」
「それぐらい余裕があれば、他に神経を集中してても活けられるということですか」
「まぁそうね。そこまで集中してなくても、わたくしたちのように、それなりの力がある者からすれば、それこそ湧いた瞬間にわかるものですけどね」
そういうものか。
ある程度の力があれば、魔に対する感覚も優れている、というのであれば、萌実は誰より早く魔を察知できるはずだ。
何せ萌実の力はせとかのお墨付きなのだから。
「じゃあとりあえず、心静かに集中してみます」
そう言って、萌実は目を閉じた。
まさに座禅のように、静かに心を落ち着ける。
まずは目を瞑っていても魔がわかるように、つまり魔の気配を掴むことができるようにならなければ。
早く茶道部に帰りたい。
部活がなかったら、せとか先輩に会うこともできない。
先輩、ちょっとは寂しがってくれてるかなぁ。
いやいや、こんなことを考えてたら、そっちに気持ちが持って行かれて他に気が回らない。
集中集中……。
凡人は目を閉じると余計にいろいろ考えてしまうものだ。
気が散ってしょうがない。
魔、魔……と呪文のように唱えながら、萌実は頑張って無理やり思考を魔でいっぱいにするのであった。