結構な腕前で!
「守りというか、異空間の入り口……う~ん、ちょっと違いますわね。空間の歪みというか、不安定な空間なんじゃないかと思うんですのよ、この辺は。で、それをあの子たちが守ってるというか……」
由梨花が、うーんうーんと考えつつ説明する。
「あの子?」
はるみの問いに、由梨花が、ちょい、と床の間を指した。
この部屋が広すぎて床の間まで目が行かなかったが、そこには華道部の部室にあるような壺が、でんと置かれており、これまた部室と同じように、食虫植物が活けられていた。
「由梨花にとって、あの植物はほんとにペットなの?」
「そういうわけじゃないけど。でも昔からお仕事を手伝ってくれてるから、親近感はありますわね」
「あの植物、どういうものなんだ?」
せとみが立ち上がり、床の間に歩み寄った。
壺の中を覗いてみても、食虫植物の葉だか実だかがでかすぎて、中までは見えない。
「どういうものなんでしょうねぇ。ずっと昔からこの山に自生している植物ですのよ。それを守ってきたのが、我が真行寺一族」
「じ、自生?」
せとみもはるみも目を剥いた。
このような危険な植物が自生していたら、危なくてしょうがないではないか。
「食虫植物って言ってますけどね、あの子たちが実際食べるのは魔だけなんですの。おそらく魔が現れると共に、あの子たちも現れたんだと思いますわ」
言いつつ、由梨花は立ち上がって部屋の奥の障子を開けた。
広大な庭園が広がる。
「わぁ~。凄いわねぇ~」
一般の家とは思えない、立派な庭園だ。
白い玉砂利が敷き詰められ、向こうのほうには池もある。
「そんなところじゃなくて。ほら、そのずっと向こう」
由梨花の指差すほうを見れば、庭と山の境界線辺りに、最早見慣れた食虫植物がある。
そこから視線を滑らすと、その辺一帯、全て食虫植物のようだ。
由梨花が、うーんうーんと考えつつ説明する。
「あの子?」
はるみの問いに、由梨花が、ちょい、と床の間を指した。
この部屋が広すぎて床の間まで目が行かなかったが、そこには華道部の部室にあるような壺が、でんと置かれており、これまた部室と同じように、食虫植物が活けられていた。
「由梨花にとって、あの植物はほんとにペットなの?」
「そういうわけじゃないけど。でも昔からお仕事を手伝ってくれてるから、親近感はありますわね」
「あの植物、どういうものなんだ?」
せとみが立ち上がり、床の間に歩み寄った。
壺の中を覗いてみても、食虫植物の葉だか実だかがでかすぎて、中までは見えない。
「どういうものなんでしょうねぇ。ずっと昔からこの山に自生している植物ですのよ。それを守ってきたのが、我が真行寺一族」
「じ、自生?」
せとみもはるみも目を剥いた。
このような危険な植物が自生していたら、危なくてしょうがないではないか。
「食虫植物って言ってますけどね、あの子たちが実際食べるのは魔だけなんですの。おそらく魔が現れると共に、あの子たちも現れたんだと思いますわ」
言いつつ、由梨花は立ち上がって部屋の奥の障子を開けた。
広大な庭園が広がる。
「わぁ~。凄いわねぇ~」
一般の家とは思えない、立派な庭園だ。
白い玉砂利が敷き詰められ、向こうのほうには池もある。
「そんなところじゃなくて。ほら、そのずっと向こう」
由梨花の指差すほうを見れば、庭と山の境界線辺りに、最早見慣れた食虫植物がある。
そこから視線を滑らすと、その辺一帯、全て食虫植物のようだ。