結構な腕前で!
「でもお前は、あの魔を食う植物を扱えるってことだろ?」
「ええ、そうですわね。それも能力のうちかもしれませんけど。でもきっと、あの後輩の子も扱えるのではないかしら」
「萌実ちゃんか。でも……扱う前に、意識がなくなるみたいじゃないか」
ちらりと先の部屋のほうを見る。
「華道部でも同じような状態になってたな。それより酷いってことは、やっぱりあの植物に関係あるのか」
「そういうことになるのかしら。わたくしが見えないほどの力で、守りの方面に特化してるということは、この子たちと共鳴してもおかしくない、とお思いなのね?」
「こいつらが、魔を吸い込む空間を作ってるんだろ? いうなれば、壺の中がそのままこいつらの胃袋ってことか。萌実ちゃんが、それと同じ状態になるってことは、萌実ちゃんの中が亜空間になってるってことだな」
「あの子たちのほうも、後輩のあの子の力と共鳴して、より強くなるのかもしれませんわね」
うん、と由梨花が納得する。
由梨花は食虫植物のことも『あの子』と言うので、よく考えないと『あの子』が指すのが食虫植物なのか萌実なのかわからない。
とにかく食虫植物と萌実は共鳴しやすい、ということだ。
「なるほどなぁ。華道部でも気を抜いたらすぐ寝てたのに、こんないたるところに奴らが植わってちゃ、意識全部持って行かれるな」
「あの子自身が壺になってる状態ですから、魔が湧いても恐ろしくて避けるでしょうね。意識がないけど安全、というわけですわ」
じゃあ一人で放っておいてもよかったな、と内心思い、だが由梨花と二人でも意外にちゃんとした話ができたことで、せとみの中での由梨花の評価も少し変わった。
ふとここ最近やたらとせとかやはるみに言われていたことを思い出す。
『一度きちんと由梨花と話すべき』
確かにそうかもな、と思うと同時に、冷静になると由梨花の気持ちもわからなくなる。
あのノリは、真剣な心故なのか?
---まじで俺を好きだってんなら、今なんかチャンスじゃねーの? 周りに人がいるときは引くほどぐいぐい来るくせに、二人になったらそんな態度見せないってどういうことだよ---
いつものノリは冗談なのだろうか。
だからと言って、今あのようにぐいぐい来られても話にならなくて困るのだが。
結局どっちがいいとも言えず、知らぬうちにせとみの心は由梨花で占められていった。
「ええ、そうですわね。それも能力のうちかもしれませんけど。でもきっと、あの後輩の子も扱えるのではないかしら」
「萌実ちゃんか。でも……扱う前に、意識がなくなるみたいじゃないか」
ちらりと先の部屋のほうを見る。
「華道部でも同じような状態になってたな。それより酷いってことは、やっぱりあの植物に関係あるのか」
「そういうことになるのかしら。わたくしが見えないほどの力で、守りの方面に特化してるということは、この子たちと共鳴してもおかしくない、とお思いなのね?」
「こいつらが、魔を吸い込む空間を作ってるんだろ? いうなれば、壺の中がそのままこいつらの胃袋ってことか。萌実ちゃんが、それと同じ状態になるってことは、萌実ちゃんの中が亜空間になってるってことだな」
「あの子たちのほうも、後輩のあの子の力と共鳴して、より強くなるのかもしれませんわね」
うん、と由梨花が納得する。
由梨花は食虫植物のことも『あの子』と言うので、よく考えないと『あの子』が指すのが食虫植物なのか萌実なのかわからない。
とにかく食虫植物と萌実は共鳴しやすい、ということだ。
「なるほどなぁ。華道部でも気を抜いたらすぐ寝てたのに、こんないたるところに奴らが植わってちゃ、意識全部持って行かれるな」
「あの子自身が壺になってる状態ですから、魔が湧いても恐ろしくて避けるでしょうね。意識がないけど安全、というわけですわ」
じゃあ一人で放っておいてもよかったな、と内心思い、だが由梨花と二人でも意外にちゃんとした話ができたことで、せとみの中での由梨花の評価も少し変わった。
ふとここ最近やたらとせとかやはるみに言われていたことを思い出す。
『一度きちんと由梨花と話すべき』
確かにそうかもな、と思うと同時に、冷静になると由梨花の気持ちもわからなくなる。
あのノリは、真剣な心故なのか?
---まじで俺を好きだってんなら、今なんかチャンスじゃねーの? 周りに人がいるときは引くほどぐいぐい来るくせに、二人になったらそんな態度見せないってどういうことだよ---
いつものノリは冗談なのだろうか。
だからと言って、今あのようにぐいぐい来られても話にならなくて困るのだが。
結局どっちがいいとも言えず、知らぬうちにせとみの心は由梨花で占められていった。