結構な腕前で!
「俺たちはそこまでちゃんとした代々の役割があったわけじゃないんだ。何となく、ほら、家が茶道やってるから自然と俺らもやるだろ? どっちかが継がないと駄目なんだし。その中で、自然と裏流派も教わったんだよ。いや、教わったわけではないかなぁ。魔というものについてのレクチャーはあったけどね。裏流派はこう、とかいうものは、はっきり言うとないからね。茶道のお点前の中に、魔を取り込んだだけだし」
「そうねぇ。元から自然に魔退治してたから、いざ『魔って何』て聞かれても、上手く説明できないわ。彷徨える魂……てなところかしら?」
軽い説明のわりに、内容はよく考えるとヘビーなような。
「異界から漏れ出た良からぬもの、という解釈でいいですわよ。人の、負の気の多いところに湧いて出るもの。放置しておくとその場の空気が悪くなるし、そうなるとますます同じようなものが増えて、さらに空気が悪くなるっていう悪循環に陥るわけですわ。それを断ち切るのが、わたくしたちの役目」
どこかのほほんとした説明のせとみたちより、さすが由梨花は端的でわかりやすい。
この家の土地的に、由梨花のほうが魔に関しては詳しいかもしれない。
「人が壺になる……。そう考えると、あなたは確かに、橘家よりも真行寺家に所縁のある人なのかもしれませんわねぇ。この家は、土地を見ればわかる通り、壺と共にあるようなものですから」
「あの植物と真行寺家は関係あるの? 昔から?」
「あの子たちの作り出す空間の管理というか。変にあの空間が人の目に触れないようにする役目を負った家なんだと思いますわね」
とはいえ一族だけでは魔に対応できないかもしれない。
なので人の力を見抜くこともできるのだという。
「わたくし、常々思っていたのですけどね」
お茶と一緒に出された菓子を摘みながら、由梨花が言う。
「この魔の量はおかしいと思いますの。いつもいつも、こんなに魔が出現してたら、一般人にもいい加減害が及びますわ。この学校の者は土地柄故か、『出る』学校に通ってる、という程度の知識はありますから、少々湧いた魔を見ても必要以上に騒いだりしませんけど、外はそうではないでしょう? でもこのままでは、学校だけでは抑えられないようになるのではなくて?」
「そうねぇ。元から自然に魔退治してたから、いざ『魔って何』て聞かれても、上手く説明できないわ。彷徨える魂……てなところかしら?」
軽い説明のわりに、内容はよく考えるとヘビーなような。
「異界から漏れ出た良からぬもの、という解釈でいいですわよ。人の、負の気の多いところに湧いて出るもの。放置しておくとその場の空気が悪くなるし、そうなるとますます同じようなものが増えて、さらに空気が悪くなるっていう悪循環に陥るわけですわ。それを断ち切るのが、わたくしたちの役目」
どこかのほほんとした説明のせとみたちより、さすが由梨花は端的でわかりやすい。
この家の土地的に、由梨花のほうが魔に関しては詳しいかもしれない。
「人が壺になる……。そう考えると、あなたは確かに、橘家よりも真行寺家に所縁のある人なのかもしれませんわねぇ。この家は、土地を見ればわかる通り、壺と共にあるようなものですから」
「あの植物と真行寺家は関係あるの? 昔から?」
「あの子たちの作り出す空間の管理というか。変にあの空間が人の目に触れないようにする役目を負った家なんだと思いますわね」
とはいえ一族だけでは魔に対応できないかもしれない。
なので人の力を見抜くこともできるのだという。
「わたくし、常々思っていたのですけどね」
お茶と一緒に出された菓子を摘みながら、由梨花が言う。
「この魔の量はおかしいと思いますの。いつもいつも、こんなに魔が出現してたら、一般人にもいい加減害が及びますわ。この学校の者は土地柄故か、『出る』学校に通ってる、という程度の知識はありますから、少々湧いた魔を見ても必要以上に騒いだりしませんけど、外はそうではないでしょう? でもこのままでは、学校だけでは抑えられないようになるのではなくて?」