結構な腕前で!
「萌実さんも、実はせとかのこと、蓼だと思うの?」
こそりとはるみが、萌実に耳打ちする。
ふるふると、萌実は首を振った。
「そうでも言わないと反論できません」
「流せばいいのよ。当の本人だって、自分のことだってのに今更聞いてないし」
ちら、とせとみを見ながら言ったはるみだが、その目が見開かれる。
あれ? と呟いて、せとみをじろじろと観察した。
いつもは目の前で由梨花にこのようなことを言われても特に反応なく聞き流しているのに、今は何だか居心地悪そうだ。
落ち着きなく視線を外している。
「珍しいわね? どうしちゃったのかしら」
「いや、あれが普通の反応じゃないですか? 目の前で自分のこと、あんなに絶賛されたら恥ずかしいでしょ」
「いやいや、由梨花の場合はあれがデフォルトなのよ。今までだってずーっとせとみに対して遠慮なしにああいうこと言ってたじゃない。さっきまで、せとみもいつものように大して気にしてない風だったのに、いきなり何? あの態度」
萌実とひそひそと話していたはるみが、ん、と何かに気付き、にやりと口角を上げた。
「ははぁ~ん。さてはさっき二人でお庭散策させたことが、功を奏したようね」
ぐっと声を潜めて言う。
「お庭散策?」
「萌実さんが寝てる間にね。ほら、あの食虫植物のことを教えて貰いがてら調べてらっしゃいって、二人で外に出したの。その機会に、ちょっとちゃんと由梨花とお話してみなさいって。渋ってたけど、うん、考えてみればあれからかも、せとみの態度が変わったの」
萌実もせとみを観察した。
なるほど、何だかいつもと違う。
「双方にとっていい結果になればいいですね」
「そうね。それを期待するわ」
こそりとはるみが、萌実に耳打ちする。
ふるふると、萌実は首を振った。
「そうでも言わないと反論できません」
「流せばいいのよ。当の本人だって、自分のことだってのに今更聞いてないし」
ちら、とせとみを見ながら言ったはるみだが、その目が見開かれる。
あれ? と呟いて、せとみをじろじろと観察した。
いつもは目の前で由梨花にこのようなことを言われても特に反応なく聞き流しているのに、今は何だか居心地悪そうだ。
落ち着きなく視線を外している。
「珍しいわね? どうしちゃったのかしら」
「いや、あれが普通の反応じゃないですか? 目の前で自分のこと、あんなに絶賛されたら恥ずかしいでしょ」
「いやいや、由梨花の場合はあれがデフォルトなのよ。今までだってずーっとせとみに対して遠慮なしにああいうこと言ってたじゃない。さっきまで、せとみもいつものように大して気にしてない風だったのに、いきなり何? あの態度」
萌実とひそひそと話していたはるみが、ん、と何かに気付き、にやりと口角を上げた。
「ははぁ~ん。さてはさっき二人でお庭散策させたことが、功を奏したようね」
ぐっと声を潜めて言う。
「お庭散策?」
「萌実さんが寝てる間にね。ほら、あの食虫植物のことを教えて貰いがてら調べてらっしゃいって、二人で外に出したの。その機会に、ちょっとちゃんと由梨花とお話してみなさいって。渋ってたけど、うん、考えてみればあれからかも、せとみの態度が変わったの」
萌実もせとみを観察した。
なるほど、何だかいつもと違う。
「双方にとっていい結果になればいいですね」
「そうね。それを期待するわ」