結構な腕前で!
第三十章
その日は夜遅くまで、北条家の茶室に灯りがともっていた。
「よぅせとか。何かわかったのか?」
小さなびーちゃんを持ったせとみが、すらりと障子を開けて入ってくる。
由梨花から借りた書物から顔を上げ、せとかは、ふぅ、と息をついた。
「そうですねぇ……。なかなか興味深い記録が、たんとありましたよ」
「ほぅ」
どかりと前に座り、せとみは持っていたびーちゃんを前に置いた。
びーちゃんは細い一輪挿しに入っている。
「こいつもなかなか面白いが……。まずはそっちから聞こうか」
「では」
せとかは改めて、書物をぱらぱらと繰った。
「全体の流れとしては、真行寺さんが言った通り、魔と能力者のサイクルの記録ですね。細かく見ていくと、常に魔も能力者もいる。まぁよくあるホラー現象です。魔とも言えないレベルですね。それを祓う力を持つ者も、常にそれなりにいる」
「まぁ、坊主とかも一応そういう能力者に入るしな」
「ええ。霊感の強い人も多いですしね。ところが何百年かに一度のサイクルで、魔が強くなる時期がある」
「それに合わせて、萌実ちゃんみたいな人間が現れるわけか」
「そう。いわゆる神の子ですね。ま、実際はずば抜けて祓いの力が強いだけの、単なる人間ですが」
くすくすと笑いながら、せとかが続ける。
「考えると面白いですよ。我らと魔は、ぴったり同じサイクルを持ってるんです。どちらが増えすぎることもなく、一定の容量を保っている。魔も所詮、人の作り出すものです。元々人なのですから、魔と能力者は表裏一体ということですね」
「お前の説明は、小難しくてよくわからねぇ。それよりも、その神の子の能力についてだよ。魔を取り込むっていうのが、そいつらの能力なのか?」
「よぅせとか。何かわかったのか?」
小さなびーちゃんを持ったせとみが、すらりと障子を開けて入ってくる。
由梨花から借りた書物から顔を上げ、せとかは、ふぅ、と息をついた。
「そうですねぇ……。なかなか興味深い記録が、たんとありましたよ」
「ほぅ」
どかりと前に座り、せとみは持っていたびーちゃんを前に置いた。
びーちゃんは細い一輪挿しに入っている。
「こいつもなかなか面白いが……。まずはそっちから聞こうか」
「では」
せとかは改めて、書物をぱらぱらと繰った。
「全体の流れとしては、真行寺さんが言った通り、魔と能力者のサイクルの記録ですね。細かく見ていくと、常に魔も能力者もいる。まぁよくあるホラー現象です。魔とも言えないレベルですね。それを祓う力を持つ者も、常にそれなりにいる」
「まぁ、坊主とかも一応そういう能力者に入るしな」
「ええ。霊感の強い人も多いですしね。ところが何百年かに一度のサイクルで、魔が強くなる時期がある」
「それに合わせて、萌実ちゃんみたいな人間が現れるわけか」
「そう。いわゆる神の子ですね。ま、実際はずば抜けて祓いの力が強いだけの、単なる人間ですが」
くすくすと笑いながら、せとかが続ける。
「考えると面白いですよ。我らと魔は、ぴったり同じサイクルを持ってるんです。どちらが増えすぎることもなく、一定の容量を保っている。魔も所詮、人の作り出すものです。元々人なのですから、魔と能力者は表裏一体ということですね」
「お前の説明は、小難しくてよくわからねぇ。それよりも、その神の子の能力についてだよ。魔を取り込むっていうのが、そいつらの能力なのか?」