結構な腕前で!
「そうそう。えーと、つまり南野さんは、茶道部では僕らより力の強い、単なる能力者なんです」
「いやだから。それが何だよ」
訝しげに言うせとみに、せとかは、ちょい、と前を指差した。
せとかとせとみの間には、びーちゃんが挿さった一輪挿し。
これを知ったのは、華道部に行ってからだ。
びーちゃんの作った壺に、萌実は共鳴してしまう。
華道部ではともかく、由梨花の家では萌実は完全に意識を失い、その状態で魔を取り込んだ。
「つまり、歴代の神の子は、この植物と共にどこかに込められ、否応なしに壺にされたのではないか、と思うんですよ」
「……な、なるほど。祠にでも入れてしまえば、その祠全体が、魔の掃除機になるわけだもんな」
しかも核となる神の子は意識がない。
逃げ出すこともない、というわけだ。
「いやでも、萌実ちゃんは魔を取り込んだ途端に起きたって言ってたじゃねーか」
「立て続けに魔を吸い込んだりしなかったせいかもしれません。目覚める暇もなく、どんどん魔を取り込めば、意識が戻らないまま死んでしまうこともあるでしょう。何せ自分の意思とは関係なく、魔を引き寄せ取り込んでしまうのですから」
「壺というより、魔の餌だな……」
「だから生贄なんです」
ふぅ、とせとみが息をついた。
なかなかヘビーな内容だ。
「それで? その植物については、何がわかったんです?」
重くなった空気を払拭するように、せとかが話題を変えた。
「ああ……。こっちゃそれほど大した話じゃない。こいつは活けられたところ全てに亜空間を作るっていうだけ。活けたらすぐに根を伸ばして、例えば花瓶だったら花瓶内を覆う。そしたらそこに空間が生まれるって寸法だ」
「ほぉ。ということは、この植物の根に亜空間が繋がってるってことですかね」
「そう……いうことかな。まぁ、これは普通の植物じゃないよ。切ってもたちまち根を張るしな」
「ふ~む。まさしく真行寺さんに相応しい」
何気に失礼なことを言い、せとかはまた、ちらりとせとみを見る。
せとみは不満そうに口を尖らせて、せとかを睨んだ。
「いやだから。それが何だよ」
訝しげに言うせとみに、せとかは、ちょい、と前を指差した。
せとかとせとみの間には、びーちゃんが挿さった一輪挿し。
これを知ったのは、華道部に行ってからだ。
びーちゃんの作った壺に、萌実は共鳴してしまう。
華道部ではともかく、由梨花の家では萌実は完全に意識を失い、その状態で魔を取り込んだ。
「つまり、歴代の神の子は、この植物と共にどこかに込められ、否応なしに壺にされたのではないか、と思うんですよ」
「……な、なるほど。祠にでも入れてしまえば、その祠全体が、魔の掃除機になるわけだもんな」
しかも核となる神の子は意識がない。
逃げ出すこともない、というわけだ。
「いやでも、萌実ちゃんは魔を取り込んだ途端に起きたって言ってたじゃねーか」
「立て続けに魔を吸い込んだりしなかったせいかもしれません。目覚める暇もなく、どんどん魔を取り込めば、意識が戻らないまま死んでしまうこともあるでしょう。何せ自分の意思とは関係なく、魔を引き寄せ取り込んでしまうのですから」
「壺というより、魔の餌だな……」
「だから生贄なんです」
ふぅ、とせとみが息をついた。
なかなかヘビーな内容だ。
「それで? その植物については、何がわかったんです?」
重くなった空気を払拭するように、せとかが話題を変えた。
「ああ……。こっちゃそれほど大した話じゃない。こいつは活けられたところ全てに亜空間を作るっていうだけ。活けたらすぐに根を伸ばして、例えば花瓶だったら花瓶内を覆う。そしたらそこに空間が生まれるって寸法だ」
「ほぉ。ということは、この植物の根に亜空間が繋がってるってことですかね」
「そう……いうことかな。まぁ、これは普通の植物じゃないよ。切ってもたちまち根を張るしな」
「ふ~む。まさしく真行寺さんに相応しい」
何気に失礼なことを言い、せとかはまた、ちらりとせとみを見る。
せとみは不満そうに口を尖らせて、せとかを睨んだ。