結構な腕前で!
「ま、神代の話だし、ほんとかどうかわかんないけどね。でもまぁ……ほんとに凄い力の持ち主だったのなら、そういうこともあるかもね。何といってもびーちゃんは、普通じゃあり得ない植物だし」

 ふと、萌実はびーちゃんを前にしたせとかを思った。
 特に変化はないようだった。
 もっとも一株だけなら、萌実も大した影響は受けないが。

「そういえば、せとみ先輩は真行寺家でも平気でしたよね。力としては、せとか先輩のほうが強いみたいだからかもしれないけど。あ、でもびーちゃんは壺を作る力だから、影響を受けるのは私だけなのかな」

「そうねぇ。うん、多分そうだわ。初代神の子の力の攻撃系がせとかに、壺系が萌実さんに宿ったのかもね。びーちゃんは壺系だから、萌実さんにしか反応しないんだわ」

「初代神の子の死因を調べれば、何か対処法がわかるかもしれませんね」

「そうね。ただそのためには、由梨花のところにお邪魔しないとだけど」

 う、と萌実が固まった。
 わざわざ敵陣にせとかを送り込むことになるのか。
 忘れていたもやもやが、再び湧き上がる。

「ああ、由梨花のことね」

 はるみが気付き、苦笑いする。

「どうでしょう? やっぱり真行寺先輩は、せとか先輩に乗り換えたって思います?」

「乗り換えはしないと思うけどなぁ。でも、見る目はちょっと変わったかもね。歩み寄りの姿勢は見えるわね」

「ヤバいじゃないですか! 意外な一面は、恋の入り口ですよ!」
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