結構な腕前で!
「南野さんを穴にぶち込んでもできそうですけど、それはさすがに可哀相ですし。それに、そうするならこんなややこしいことしないで、今までのように南野さんを真行寺さんの家の山にでも連れて行けば事足りますしね」
涼しい顔で、物騒なことを言う。
単に表現がまずいだけだと思いたいが、萌実が聞いたらどう思うだろう。
「お前はなぁ。もうちょっと萌実ちゃんの気持ちを考えて物言えよ」
「考えてますよ。だからそんな可哀相なことはしないんです」
わかってるんだか、わかってないんだか。
つくづくこの場に萌実がいないで良かった、と、はるみは密かにため息をついた。
「南野さんの力を、穴に向けて放ったらいいと思うんです」
「なるほど~」
「南野さんの力は外向きではないですが、その場の空気を浄化できるんですから、外に発散もできるはずです。僕の力に乗せて、思い切り穴に向かって力を放出してみましょう」
う~む、と考えていたせとみも、うん、と頷いた。
「そうだな。真行寺も、あの穴は魔が増えて自然に開いた穴だって言ってたから、最悪壺にならなくても、閉じるぐらいはできるんじゃないか? 魔が少なくなれば、自然に閉じるもんだって言ってたし」
「彼女は僕らよりも魔に関しては詳しいでしょうし、彼女が言うなら間違いないでしょう」
「あらっ。せとかまで真行寺さんを見る目が変わってる?」
ずい、とはるかがせとかを覗き込む。
基本的に、はるかはこういう女子っぽい話題が大好物なのだ。
が、せとかは何てことのないように答える。
「そうですね。いえ、基本的には変わってません。近寄りたくない変人には変わりありませんよ。ただ魔に関することに、ここまで精通してるとは思ってませんでしたので」
「魔に理解があるっていうだけでも、せとかにとってはプラスポイントじゃない?」
「それだけなら、南野さんのほうが、よっぽどプラスですよ」
さらりとせとかが言う。
ちら、とはるみは、せとかを窺った。
はるかは特に食い付くことなく、カンフルだもんね、と、つまらなそうに呟いた。
涼しい顔で、物騒なことを言う。
単に表現がまずいだけだと思いたいが、萌実が聞いたらどう思うだろう。
「お前はなぁ。もうちょっと萌実ちゃんの気持ちを考えて物言えよ」
「考えてますよ。だからそんな可哀相なことはしないんです」
わかってるんだか、わかってないんだか。
つくづくこの場に萌実がいないで良かった、と、はるみは密かにため息をついた。
「南野さんの力を、穴に向けて放ったらいいと思うんです」
「なるほど~」
「南野さんの力は外向きではないですが、その場の空気を浄化できるんですから、外に発散もできるはずです。僕の力に乗せて、思い切り穴に向かって力を放出してみましょう」
う~む、と考えていたせとみも、うん、と頷いた。
「そうだな。真行寺も、あの穴は魔が増えて自然に開いた穴だって言ってたから、最悪壺にならなくても、閉じるぐらいはできるんじゃないか? 魔が少なくなれば、自然に閉じるもんだって言ってたし」
「彼女は僕らよりも魔に関しては詳しいでしょうし、彼女が言うなら間違いないでしょう」
「あらっ。せとかまで真行寺さんを見る目が変わってる?」
ずい、とはるかがせとかを覗き込む。
基本的に、はるかはこういう女子っぽい話題が大好物なのだ。
が、せとかは何てことのないように答える。
「そうですね。いえ、基本的には変わってません。近寄りたくない変人には変わりありませんよ。ただ魔に関することに、ここまで精通してるとは思ってませんでしたので」
「魔に理解があるっていうだけでも、せとかにとってはプラスポイントじゃない?」
「それだけなら、南野さんのほうが、よっぽどプラスですよ」
さらりとせとかが言う。
ちら、とはるみは、せとかを窺った。
はるかは特に食い付くことなく、カンフルだもんね、と、つまらなそうに呟いた。