結構な腕前で!
「どうしました?」
「う~ん……。今何か感じたように思ったんですけど」
きょろきょろしても、特に部室内に変化はない。
少し魔の気配にも敏感になったかな、と思っていたが、そうでもないのだろうか。
---魔の気配を察知できるようになったと思ったのに、気のせいだったのかなぁ---
何となく、せとかの期待に応えられないのは辛い。
少ししょぼんとした萌実だったが、せとかはしばらく部屋の中を見回し、次いで窓のほうに目をやった。
「どんな感じがしました?」
ようやくいい感じに泡立った茶碗をせとかの前に置くと同時に声がかかる。
ん、と顔を上げると、せとかの真剣な目に射抜かれた。
その視線はそのまま、萌実の乙女心を撃ち抜く。
「え? えーとえーと。あの、いえ、やっぱり魔ですかね?」
きりっとせとかに見つめられて、萌実はしどろもどろになる。
ぼーっとせとかから、きりっとせとかに変わっているということは、やっぱり魔が絡んでいるのか?
それにしても、いきなり変わられると心臓に悪い。
一人変にどきどきしている萌実に、せとかは怪訝な顔になった。
「いやっ! あの、えーと。いえその、せとか先輩の雰囲気的に、魔が出そうなのかな、と」
「ああ、いえ。まぁ魔絡み……といえばそうなんですけど」
わたわたと言う萌実の言葉に納得しつつも、せとかは歯切れ悪く言う。
首を傾げ、少し考えてから、萌実の点てた茶碗を手に取った。
「多分、真行寺さんたちが食虫植物を穴の辺りに植えたんじゃないですかね」
「へ?」
「うん、南野さんはやはり、魔よりもびーちゃんのほうに、より反応するわけですか」
一人納得し、ごくりとお茶を飲むと、せとかは前に家の茶室ではるかたちと話し合った内容を萌実に話した。
「……ということで、使えるものはフルに使って、穴を閉じようというわけです」
微妙な表現である。
何でこう、もうちょっと気を遣った言い回しができないのか。
ここで言う『使えるもの』とは、びーちゃんと萌実の力、せとかの力のことであろう。
萌実も捨て駒の一つのようだ。
そんな風に思ったのが顔に出たのか、せとかが、いやいや、と手を振った。
「う~ん……。今何か感じたように思ったんですけど」
きょろきょろしても、特に部室内に変化はない。
少し魔の気配にも敏感になったかな、と思っていたが、そうでもないのだろうか。
---魔の気配を察知できるようになったと思ったのに、気のせいだったのかなぁ---
何となく、せとかの期待に応えられないのは辛い。
少ししょぼんとした萌実だったが、せとかはしばらく部屋の中を見回し、次いで窓のほうに目をやった。
「どんな感じがしました?」
ようやくいい感じに泡立った茶碗をせとかの前に置くと同時に声がかかる。
ん、と顔を上げると、せとかの真剣な目に射抜かれた。
その視線はそのまま、萌実の乙女心を撃ち抜く。
「え? えーとえーと。あの、いえ、やっぱり魔ですかね?」
きりっとせとかに見つめられて、萌実はしどろもどろになる。
ぼーっとせとかから、きりっとせとかに変わっているということは、やっぱり魔が絡んでいるのか?
それにしても、いきなり変わられると心臓に悪い。
一人変にどきどきしている萌実に、せとかは怪訝な顔になった。
「いやっ! あの、えーと。いえその、せとか先輩の雰囲気的に、魔が出そうなのかな、と」
「ああ、いえ。まぁ魔絡み……といえばそうなんですけど」
わたわたと言う萌実の言葉に納得しつつも、せとかは歯切れ悪く言う。
首を傾げ、少し考えてから、萌実の点てた茶碗を手に取った。
「多分、真行寺さんたちが食虫植物を穴の辺りに植えたんじゃないですかね」
「へ?」
「うん、南野さんはやはり、魔よりもびーちゃんのほうに、より反応するわけですか」
一人納得し、ごくりとお茶を飲むと、せとかは前に家の茶室ではるかたちと話し合った内容を萌実に話した。
「……ということで、使えるものはフルに使って、穴を閉じようというわけです」
微妙な表現である。
何でこう、もうちょっと気を遣った言い回しができないのか。
ここで言う『使えるもの』とは、びーちゃんと萌実の力、せとかの力のことであろう。
萌実も捨て駒の一つのようだ。
そんな風に思ったのが顔に出たのか、せとかが、いやいや、と手を振った。