結構な腕前で!
第三十九章
 結局せとかは、結構すぐに目を覚ました。
 外に放り出されていた土門も揃い、茶室に八人(但馬はカウントしていいものか悩むところだが)が集まっている。

「じゃあ成功したってことだな。萌実ちゃんも無事だし、これにて一件落着か」

「そうですね。そう願います。ま、しばらくは様子を見てみる必要がありますがね」

 せとみに答えながら、せとかが己の手の平をまじまじと見る。

「どうしたの。どこかおかしいの?」

 はるみが聞くと、せとかは手を握ったり開いたりしながら、少し考えた。
 そして萌実を見る。

「南野さんは、特に何か違和感とか感じませんか?」

「えっ?」

 言われて萌実は、意味なくぱたぱたと自分の身体を叩いた。

「えっと……。と、特に何も……」

「……そうですか。まぁ今までも、力に気付かなかったぐらいですし」

 ぼそ、と呟き、次いでせとみに顔を向ける。

「せとみは? 僕らが穴に行っている間、結構な魔が襲ってきたようですけど、穴が塞がった瞬間とか、わかりました?」

「ん~……? いやぁ、あれがその瞬間かはわからん。でもでかい波動は受けたぜ。それからしばらくして、魔が徐々に減った感じかな」

「なるほど。せとみは元々、外向けの力があるわけではないからかな」

 魔に対応できると言っても、それは皆、守りの力があるからだ。
 それに加えて運動神経の良さと、あとは慣れ。
 魔を一気に殲滅できるほどの攻撃を行えるのは、せとかだけなわけだ。

「僕のあの力は、なくなったような気がします」

 ぎゅ、と手を握りしめて、せとかが言った。
 せとみが、ぎょっとしたように目を剥く。
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