結構な腕前で!
「落ち着いて。魔を見て、手に神経を集中させてください」
耳元で、せとかの声がする。
それだけで、萌実はくらくらした。
---こ、声が近いです~~!!---
軽くパニック状態の萌実だったが、(魔にとっては)不穏な空気を感じてか、部屋の中を漂っていた煙が集まり、一気に萌実に向かってくる。
「行きますよ」
不意に、せとかの声が真剣味を帯びた。
そして、握られた手に、ぐっと力が入る。
それに触発され、萌実の神経が手に行った。
「粉砕」
手の平が熱くなった、と思った瞬間、せとかの声と共に、目の前の煙が霧散する。
一瞬で砕かれた煙を、すぐにはるかとはるみが壺を抱えて回収していった。
「すご~い、萌実さん」
「何か空気も綺麗になってる」
「「せとかは倒れないし~」」
瞬く間に綺麗になった道場内で、双子が萌実に感嘆の眼差しを向ける。
せとかは道場内を見回し、綺麗になっていることを確かめると、ようやく奥に入って腰を下ろした。
「うん。注意して力をコントロールできるようになれば、お互いの負担も軽くなると思います」
己の手を見、まだ入り口で立ち尽くしている萌実に目をやって、せとかが言った。
「どうしました? どこか身体の調子が悪かったりします?」
「あ、いえ」
たまにしか出ない、きりっとせとかの渋い声を耳元で聞かされて放心状態でした、などとは言えない。
慌てて萌実も皆の傍に上がった。
「今日は魔の量も少なかったですし、元々力も全開にしなくて大丈夫でした。その上南野さんを介してだったので、僕の負担はほぼ皆無です」
にこりとせとかが笑顔を向ける。
耳元で、せとかの声がする。
それだけで、萌実はくらくらした。
---こ、声が近いです~~!!---
軽くパニック状態の萌実だったが、(魔にとっては)不穏な空気を感じてか、部屋の中を漂っていた煙が集まり、一気に萌実に向かってくる。
「行きますよ」
不意に、せとかの声が真剣味を帯びた。
そして、握られた手に、ぐっと力が入る。
それに触発され、萌実の神経が手に行った。
「粉砕」
手の平が熱くなった、と思った瞬間、せとかの声と共に、目の前の煙が霧散する。
一瞬で砕かれた煙を、すぐにはるかとはるみが壺を抱えて回収していった。
「すご~い、萌実さん」
「何か空気も綺麗になってる」
「「せとかは倒れないし~」」
瞬く間に綺麗になった道場内で、双子が萌実に感嘆の眼差しを向ける。
せとかは道場内を見回し、綺麗になっていることを確かめると、ようやく奥に入って腰を下ろした。
「うん。注意して力をコントロールできるようになれば、お互いの負担も軽くなると思います」
己の手を見、まだ入り口で立ち尽くしている萌実に目をやって、せとかが言った。
「どうしました? どこか身体の調子が悪かったりします?」
「あ、いえ」
たまにしか出ない、きりっとせとかの渋い声を耳元で聞かされて放心状態でした、などとは言えない。
慌てて萌実も皆の傍に上がった。
「今日は魔の量も少なかったですし、元々力も全開にしなくて大丈夫でした。その上南野さんを介してだったので、僕の負担はほぼ皆無です」
にこりとせとかが笑顔を向ける。