結構な腕前で!
「……」
せとかと双子も、息を詰めて萌実の手を見ている。
しん、としばし沈黙が続いた後、そろそろと萌実は視線をせとかに向けてみた。
「……ちょっと時間が経ってしまったからかな」
せとかが、若干乗り出していた身体を引いて、静かに言った。
「え~、何~?」
「私たち、何も見えない~」
「「二人だけの秘密はずるいわよ~~」」
双子がきゃんきゃんとせとかに説明を促す。
萌実は自分の手をまじまじと見た。
さっき確かに、何かがこの手から出た。
「南野さんには、何かわかりましたか?」
せとかに言われ、萌実は自信なさげに首を傾げた。
「ん~。何というか、何かが、ぽっと出たような気はしました」
「えっ。力を出したの?」
「もしかして、せとかの力?」
「「力の移行ができるってこと?」」
なるほど、さっき出たのはせとかの力だったわけだ。
てことは、折角先輩に貰ったものを、すぐに捨ててしまったってことだよなぁ、残念。
「そういうことじゃないですよ」
いろいろ考えていた萌実に、いきなりせとかが割って入った。
えっもしかして、私、思考を口に出してた? とあまりにタイムリーな言葉に焦っていると、せとかは己の手と萌実の手を見比べた。
「南野さんにも、多分外向きの力があると思ったので試したんです。まぁ僕らのような攻撃系ではなく、身に降りかかるものを祓う、守りの力ですけど。さっきは対象がなかったし、初めてだったし僕の引き出す力も持続性がなかったみたいだから、不発でしたけど」
せとかと双子も、息を詰めて萌実の手を見ている。
しん、としばし沈黙が続いた後、そろそろと萌実は視線をせとかに向けてみた。
「……ちょっと時間が経ってしまったからかな」
せとかが、若干乗り出していた身体を引いて、静かに言った。
「え~、何~?」
「私たち、何も見えない~」
「「二人だけの秘密はずるいわよ~~」」
双子がきゃんきゃんとせとかに説明を促す。
萌実は自分の手をまじまじと見た。
さっき確かに、何かがこの手から出た。
「南野さんには、何かわかりましたか?」
せとかに言われ、萌実は自信なさげに首を傾げた。
「ん~。何というか、何かが、ぽっと出たような気はしました」
「えっ。力を出したの?」
「もしかして、せとかの力?」
「「力の移行ができるってこと?」」
なるほど、さっき出たのはせとかの力だったわけだ。
てことは、折角先輩に貰ったものを、すぐに捨ててしまったってことだよなぁ、残念。
「そういうことじゃないですよ」
いろいろ考えていた萌実に、いきなりせとかが割って入った。
えっもしかして、私、思考を口に出してた? とあまりにタイムリーな言葉に焦っていると、せとかは己の手と萌実の手を見比べた。
「南野さんにも、多分外向きの力があると思ったので試したんです。まぁ僕らのような攻撃系ではなく、身に降りかかるものを祓う、守りの力ですけど。さっきは対象がなかったし、初めてだったし僕の引き出す力も持続性がなかったみたいだから、不発でしたけど」