ある夜の出来事
たしか、駅の近くに交番があったはず。
そこに届けよう。
そう思いながら走っていたら
急に聞き慣れない音が聞こえてきた。
え?
あっこの携帯が鳴ってるんだ。
どうしよう。でるべき?
でも勝手にでるのは、やっぱマズいかな。
少し出るのをためらっていると、しばらくして音が鳴り止んでしまった。
終電の時間が間近に迫っていたルリと由紀は
「バイバイ!またね!」
と一言叫んで、すごい勢いで帰って行った。
その場に残っていた恵子も
「じゃあ、私はこっちの電車だから。またね!」
そう言って別の方向へ向かって行った。