初恋のキミは最愛ヒーロー
また、助けてくれた
「おかしなところは無いよね、うん…」
翌朝。
紺色のブレザーにエンジ色のリボン、青系のチェック柄のスカート、そして濃紺の靴下。
制服に身を包んだ私は、鏡の前で硬い面持ちで頷いた。
今日から三学期。
私にとっては、転校初日でもある。
緊張するなぁ…。
前みたいに早く馴染めるといいけど…。
胸元まで伸びた髪をハーフアップでまとめて、自分の部屋を出た私はリビングへ。
「お母さん、私…そろそろ行くね!」
「あら、もうそんな時間!?私も支度しなくちゃ!」
洗濯物を干していたお母さんは、慌ただしく腕時計に視線を落とした。
家事をこなしつつ、会社で仕事をしているお母さん。
毎日…大変なはずなのに、疲れた顔も見せずに頑張ってる姿は、本当にすごいな…と小学生の頃から思っていた。
尊敬する、大好きなお母さんだ。