初恋のキミは最愛ヒーロー
「それって、どういう……」
「あくまで俺が感じ取った印象。だけど、多分…間違ってないはず」
「えっ…」
ますます意味が分からない…。
箸を持ったまま固まっていると、壱夜くんは呆れ顔で私の額を指で軽く弾いた。
「早く飯…食えよ。そんな間抜け面でボーッとしてたら昼休み終わるぞ?」
「う、うん」
我に返った私は、おかずやご飯を慌てて口に放り込んだ。
「とにかく、今後…紅月には絶対に近付くな」
「はい…」
コクンと頷くと、壱夜くんの表情が少し和らぐ。
そんな細やかな変化にすら、胸が甘酸っぱく締め付けられる私がいた。
嫉妬…にも聞こえちゃいそうな言葉だけど、それは完全に有り得ないな。
でも、心配して貰えるだけで凄く嬉しい。
気になることが色々あって、首を突っ込みたくなるけど我慢だ我慢。
壱夜くんの忠告はちゃんと守らなくちゃ…。
そう思ってた。
数日後までは。