初恋のキミは最愛ヒーロー
「この近辺、よくランニングするの?」
「たまに。いつもは家の近くが多い」
「走るのが好きなの?」
「別に。体力とか筋力を落とさないようにと思って続けてるだけ」
「そっかぁ…。でも継続するのって、なかなか難しいことだから凄いよ。あっ、凄いと言えば……さっきのパンチ防御と男への寸止めパンチ!ビックリしたけど、カッコ良かったよ!」
繰り出されたパンチ、かなり素早かったし。
あの銀髪の男の前髪が、風圧で少し揺れてたからなぁ…。
「お前、興奮しすぎ。あんなの、師範に比べたら大したことねぇよ」
ん?
師範……?
「もしかして、何か習ってる?」
余計なことを口走るんじゃなかった…と言わんばかりに眉をしかめる壱夜くん。
しばし話すのを躊躇ってたけど、興味津々オーラを漂わせる私に負けたらしく、しぶしぶ口を開いた。