初恋のキミは最愛ヒーロー
「それ、自慢げに言うことかよ」
「へ……?」
「お前って、おかしなヤツだよな…マジで」
またしても、変な人呼ばわりされてしまった…。
特に不自然な発言はしていないのに。
少し不服に感じていると、壱夜くんはクシャクシャと頭を掻いた。
「だけど、碧瀬が“関わらないなんて私には無理”って言った時、正直…少しホッとしてる俺がいた」
「えっ…?」
「上手く言えねぇけど、アンタは…そう言ってくれるんじゃないかって、淡い期待を持ってたのかもしれない。関わるなって言おうとしておいて矛盾してるけど」
何それ…。
すっごく嬉しい…。
壱夜くんとの距離、ちゃんと縮まってるんだ…。
込み上げる温かい気持ちに顔がニヤける。
その様子を見ていた壱夜くんは、少し照れくさそうに私の手をパッと離した。
「……帰るぞ」
「あっ、ちょっと待って!」
資料室を出ようとする彼を呼び止める。
振り向いたタイミングで、私はスクールバッグの中に入れていたプレゼントを差し出した。