初恋のキミは最愛ヒーロー
本人は実感がないみたい。
でも、神楽くんの言ったこと…すごく共感できる。
出会ったばかりの頃は、冷たくて無愛想な印象を受ける場面が色々とあったけれど、近頃は…それらが和らいでいる気がするんだよね。
話し方や声にも刺々しさを感じることが減ったし、私との会話も増えてきた。
これも、壱夜くんの変化の一つだ。
半ば強引に友達になっちゃったけど、結果としては良かったんじゃないかと思う。
だって、私たちの仲が大きく進展した気がするから。
この調子で、どんどん距離を縮めていきたいな。
もっと打ち解けた間柄になって、今度は恋愛対象として見て貰えるようにならなくちゃ…!
壱夜くんに“根性ある”って褒められたし、明るく前向きに頑張るぞ……と心の中で意気込んでいるうちに、屋上に到着した。
「天気良いし、気持ちいいね~」
気分爽快と言わんばかりに、思いっきり背伸びする神楽くん。
確かに、今日は寒さも和らいでいて太陽の光が温かい。
春の気配を感じさせるような穏やかな陽気だ。