初恋のキミは最愛ヒーロー
「赤髪の男と紅月くんは、どういう関係なんだろう?」
「もしかすると、当時は同じ不良グループだったんじゃないかな?紅月の住んでる場所も出身中学も隣町だから」
な、なるほど…。
隣町のグループが壊滅した後に、この町のグループに移ってきたと考えると、二人の関係がしっくりくる。
「俺が思うに、グループのリーダーを警察送りにしたことを恨んでの復讐じゃないかな?ソイツのこと、かなり尊敬していたとか、親しくしていたとか…」
「そうだね…」
前に、紅月くんが“大切なものを奪った”って言っていたのは、リーダーのことなのかもしれない。
「多分、詳しいことは壱夜が色々と調べてると思うけど、その内容をすんなりと俺らに話してくれるか分からないから、とりあえず心当たりの人物に話を聞いてみるよ」
「心当たり…?」
「うん。ここ最近、壱夜が電話をしていたと思われる人」
「えっ!?それって、誰…?」
すかさず反応すると、神楽くんは穏やかに笑った。
「衛佑(エイスケ)さん。俺の兄貴だよ」