初恋のキミは最愛ヒーロー
「以前の尾行といい、今といい、碧瀬さんって本当にお節介な人だよね」
嫌味っぽさ全開な言い方だったけど、壱夜くんにウザそうな顔されることがよくあるからか、大してダメージも感じないや。
「仕方ないよ。私、こういう性格だから」
ニコリと笑うと、紅月くんから呆れたように苦笑された。
「あのっ、紅月くん」
「何?」
「もし良かったら、今日は私の家に泊まっていかない?」
その提案に、3人が同時に目を見開く。
変なことは何も言ってないと思うんだけど、なんだろう…この完全なるアウェイ状態は。
「えっと、莉彩ちゃん。いくら何でもそれはマズいと思うよ?」
「でも、野宿したら体調を崩しちゃうし…」
「あ、いや…そういう問題じゃなくて……」
歯切れの悪い神楽くんに首を傾げる。
何か問題ありなのかな…?
疑問に思っていると、紅月くんは面倒くさそうに息を吐いた。