初恋のキミは最愛ヒーロー
気付けば、もう恋に落ちていた
「…………」
「…………」
結局、ヨルさんとは会話をすることなく、学校に到着してしまった。
そう言えば、私が使う下駄箱ってどこなんだろう…?
担任の先生から下駄箱の番号は聞いているけれど、それがどこなのか分からない…。
下駄箱スペースをグルリと見回していると…
「アンタ、何組に転入すんの?」
不意にヨルさんが口を開く。
「いっ、1年2組です」
話しかけて貰えたことが嬉しくて、声が少し裏返ってしまった。
「ふーん。だったら、一番右端の下駄箱」
「は、はい…」
「それから、職員室は…下駄箱を出たら右に曲がって、少し進んだとこにあるから。転入生なら、どうせ最初は職員室に行くんだろ?」
面倒くさそうな表情をしながらも、何から何まで丁寧に教えてくれる。
ヨルさんの優しさに頬がほんのり緩んだ。