初恋のキミは最愛ヒーロー

今の話し方からして、おそらく同じ高校の生徒だろう。


きっと玲音くんのファンだろうな…。


頬を赤くしてニコニコしてる。


好きな人と学校以外の場所で会ったり、休日に会ったりするのって、特別感があって嬉しいもんね…。


私も、壱夜くんと休日に会えるのはとても嬉しいから、心が弾んでる。


不意にニヤけちゃう時もあるし。


勝手に共感していると、不意に彼女たちの視線が別のところに動いた。


「あれ?王子の近くにいる黒髪の男の子、黒河内くんだ」


私は、ビクリと肩を上げる。


壱夜くん本人は、スマホをいじっていて全く耳に入っていないようだ。


「あの二人が友達になった…っていう噂を聞いたけど、どうやら本当みたいだね」


「ほら、黒河内くんって素行が悪いとか不良とつるんでるとか、色々と物騒な話が囁かれてたけど、あれ…全部ウソらしいじゃん?」


「私もクミちゃんから聞いた!実際は、情に脆くて優しい男の子みたいだよ?まあ、あの王子が仲良くしてるぐらいだから、いい人なんだろうね」


女の子たちの会話に、思わず笑みが零れた。


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