初恋のキミは最愛ヒーロー
その後、職員室へとやって来た私。
担任の小林先生に改めて挨拶をした。
小柄な若い男の先生。
編入試験の時や、編入手続きに関する郵送や電話でのやり取りの時にもお世話になった方で、とても優しい先生だ。
「生徒たち、碧瀬が転入してくるの楽しみに待ってたよ。環境が変わって大変だと思うけど、俺もクラスのみんなもサポートするから、遠慮なく頼って?」
「はい、ありがとうございます」
温かい言葉を掛けてもらい、頭を下げる。
小林先生が担任で良かった…。
爽やかな笑顔の先生に私も頬が緩んだ。
暫く雑談をした後、私たちは職員室を出て1年2組の教室へと向かう。
前に通っていた高校よりも生徒数が多いだけあって、校舎の規模も大きい。
編入試験に来た時も迷路のように感じたぐらいだから、慣れるまでは迷子にならないよう、気を付けないと。
綺麗な校舎をキョロキョロと見回しながら歩くうちに、1年2組の教室の前に到着。
ドアをガラリと開けて、颯爽と中に入って行く先生の後に私も続いた。