初恋のキミは最愛ヒーロー

「あっ、莉彩ちゃん!壱夜!」


ベンチのところに戻って来ると、桃舞くんが立ち上がって笑顔で迎えてくれた。


「具合、もう大丈夫?」


「うん、飲み物も飲んだし完全回復!次、どこ行く?」


顔色も良くなってるから、無理してる感じでは無さそう。


よ、良かった…。


胸を撫で下ろしていると、玲音くんが腕時計に視線を落とした。


「碧瀬、確か14時からのパレード見たがってたよな?」


「う、うん…」


「じゃあ、そろそろ昼メシ食べとこうぜ?ちょうど昼時だし」


本当だ、もうすぐ12時…。


っていうか、玲音くん…私がパレード見たいって言ってたの聞いてたんだ。


遊園地に入場する直前、半ば独り言のように呟いた言葉だったのに…。


でも、気遣ってくれて嬉しいな…。


「それ賛成!!俺も休憩したら腹減った~!栄養補給して体力と元気を回復させよう!」


「それ以上、元気にならなくていい。桃舞のテンションが高いと俺が無駄に疲れる」


満面の笑顔を見せる桃舞くんを見て、肩を落とす壱夜くんにクスリと笑ってしまった。


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