初恋のキミは最愛ヒーロー
「それ以上、喋ったら…ぶっ飛ばす」
なんだか、殺伐とした雰囲気になってるよ…。
周囲の人たちもビクビクしてるし。
「壱夜くん、あのっ…落ち着いて……」
「っていうか、もうすぐパレード始まるぜ?碧瀬に楽しんで観てもらうためにも、じゃれ合うのは中断したら?」
呆れ気味に放たれた玲音くんの言葉に瞬きを繰り返す。
今のって、じゃれ合ってたの…?
とても、そんな風に見えなかったんですが…。
桃舞くんの口を塞いでいた手を離す壱夜くんの姿を凝視していると、視線が重なる。
でも、直ぐに逸らされてしまった。
ど、どうしたんだろう…?
なんとなく頬が赤いようにも見えるけど…。
そもそも、桃舞くんは何を言おうとしてたのかな…?
変化する壱夜くんの表情を見ていたら、とても気になっちゃうよ…。
知りたいなぁ…なんて思っているうちに、心待ちにしていたパレードが始まった。