初恋のキミは最愛ヒーロー
「いや、一人で探す。俺の都合に合わせたら時間が無駄になっちまうだろ。碧瀬たちだけで楽しんでこいよ」
「みんなで遊びに来たんだから、壱夜くんが欠けたら楽しめないよ。それに、一人よりも、四人で探した方が早く見つかると思うし」
真っ直ぐ視線を投げると、壱夜くんは苦笑いを浮かべた。
「いつものお節介パワー発動か」
「うん!」
頷く私を見ていた桃舞くんと玲音くんはフッと笑う。
「さすが、莉彩ちゃんだな」
「ああ。いい意味で影響力が半端ない」
「二人とも、ありがとう…。よし、こうなったら四人で手分けしてキーケースを探そう!私はパレード前に立ち寄ったショップに行って来るね!」
気合い満々で走りだそうとした途端、壱夜くんに腕を掴まれた。
「お前は、俺と一緒に探せ」
「えっ?」
「碧瀬が、この広い園内で一人でウロウロしたら、確実に迷子になるだろ。それに変なヤツに絡まれる可能性大だ」
確かに、両方とも有り得そうな展開だな…。
すんなり納得してる自分がいた。