初恋のキミは最愛ヒーロー
そりゃ、怖くて当たり前だよな。
あんな不良っぽい男たちから睨まれて、平気なわけない。
それなのに、俺は何も出来なかった挙げ句、彼女には笑顔で気遣ってもらうなんて…。
情けなさと不甲斐なさが込み上げた。
『………ごめん』
おまけに、母さんとはぐれて一人ぼっちになってしまった寂しさも押し寄せてきて、視界がジワリと滲んだ。
泣きたいのは彼女の方かもしれないのに、俺が泣くなんて本当にカッコ悪い…。
完全に引いてるだろうな…と思ったけど、その子は“すりむいたところ、痛むの?”と心配をしてくれたんだ。
とても優しい女の子。
彼女の優しさは、それだけじゃなかった。
母さんとはぐれたことを打ち明けて沈んでる俺を元気づけるために、綺麗なビーズのブレスレットをくれたんだ。
『これをつけてると、ねがいごとが叶うんだよ!お母さんもすぐに見つかるから、だいじょうぶ!』
そんな、とても心強い言葉と共に。