初恋のキミは最愛ヒーロー
早速、手首に通したブレスレット。
水色や青色、緑色などの涼しげな色がキラキラと輝いて神秘的な感じで…。
不安な気持ちがスーッと和らいでいくのを感じた。
『お母さんのこと、いっしょにさがそう!』
『うん…!』
彼女から差し出された手を取って立ち上がった俺。
『この男の子がお母さんとはぐれた!?それは大変じゃないか!』
『そうなの!だから、お父さんも協力して?』
少し離れたところの屋台で食べ物を買っていた、彼女のお父さんも加わってくれて、3人態勢で母さんを捜した。
混雑していて捜しにくい状況の中、彼女のお父さんが俺を肩車してくれたことが功を奏して、無事に母さんを発見。
姿を見つけた時は嬉しくて、人ごみをかき分けて一目散に走って行って、母さんに抱きついた。
俺一人じゃ、あんなに早く母さんを見つけられなかったに違いない。
彼女と、彼女のお父さんのおかげだ。
お礼を言わなくちゃ…と思って振り向いたけど、彼女たちの姿は、もう…そこにはなかった。