初恋のキミは最愛ヒーロー
「………壱夜くん、どうしたの?」
ハッと我に返ると、碧瀬が俺の顔を覗き込んでいて…
思わずビクリと肩が跳ねた。
「なんだよ、急に」
「だって、壱夜くん…地面の一点を凝視したまま微動だにしてないんだもん…。心配にもなるよ」
「あー、悪い」
昔のこと思い出してたら、ついつい動きが止まってた…。
回想してる時間があったら、一刻も早くストラップを見つけださねぇといけないってのに。
彼女がくれた大切なブレスレットが入っている、あのガラスボトル付きのストラップを。
「それじゃあ、私は…もう少し向こうの方を探すね!」
「ああ」
「壱夜くんのキーケースは私が必ず見つけてみせるから、ドーンと任せて?」
自分の胸をポンと叩いて笑顔を浮かべる碧瀬。
その自信、どこから溢れ出てくるんだよ…。
でも、碧瀬なら本当に見つけ出してくれそうな気がするんだよな…。