初恋のキミは最愛ヒーロー
…って、人任せにしてどうすんだ。
俺が見つけないと。
密かに気合いを入れて、キーケース探しを続行しようとした時、スマホのバイブが震える。
相手は桃舞だ。
もしかして、ストラップが見つかった…とか!?
ほのかな期待を胸に抱きながら、急いで電話に出た。
「桃舞、どうした?まさか、ストラップがあったとか…」
『いや、まだ。今、紅月とフードコートで合流したところなんだけど、総合案内センターには忘れ物として届けられていなかったってさ』
「そうか…」
まあ、そんなに簡単には見つからないか…。
『俺らは引き続き、パレードに行く前に通った道や立ち寄った店を探してみるから』
「悪いな…」
『気にすんなって!それはそうと…』
「何だよ?」
『お前、今も……初恋の女の子のこと、好きなのか?』
サラリと放たれた桃舞の突然の言葉に心臓が跳ねた。