初恋のキミは最愛ヒーロー
「今のは、気にしないで?ちょっと羨ましくなっちゃって弱音吐いただけだから」
「う、うん」
個人的には、今の話の続きが聞きたい…。
橘さん、最後に“ヨル”って言った…。
あの人と仲が良いのかな…?
小林先生の話に耳を傾ける橘さんの横顔をチラリと見た。
おかしいな、胸の奥がチクチクする。
どうして、橘さんの口からヨルさんの名前が出てきただけで、急に胸の痛みが生まれるんだろう?
二人が、どんな関係なのか知りたいと思ってしまうんだろう?
この気持ちは…何?
疑問ばかりが頭を埋め尽くす。
その後の始業式も授業も、ついつい橘さんやヨルさんのことばかりが気になってしまい、ボンヤリと考えていたけれど、明確な答えは導き出せなくて。
モヤモヤとした気持ちを抱えたまま、午前中が終わってしまった。