初恋のキミは最愛ヒーロー
「だけど、そういう前向きなところが、不思議と好感持てるんだよな」
ボソッと呟かれた言葉に、私は目を見開く。
「えぇっ!!ほっ、本当に!?」
「声がデカ過ぎ。どこから声を出してんだよ」
「ご、ごめん…。嬉しくて、ついつい…」
まさか、壱夜くんの口から“好感持てる”なんて言葉が飛び出すとは思わなかったんだもん…。
興奮せずにはいられないでしょ。
「その思いっきりニヤけた顔やめろ。鬱陶しい」
そんなこと言われても…。
「平然としてる方が無理な話だよ。嬉しいことは、心に閉じ込めておくよりも素直に開放しなくちゃ!」
「はいはい」
壱夜くんは軽くあしらうように返事をすると、再びスマホをいじり始めた。
今のは、渋々ながらも私の主張を受け入れてくれたってことでいいよね…?
うん、そういうことにしておこう!
頬を緩ませたまま、心の中で頷いた。