初恋のキミは最愛ヒーロー

短縮日程の今日は、お昼過ぎで授業が終了。


帰り支度をしていると、橘さんから声を掛けられた。


「碧瀬さんは、好きな男の子に告白したことある?」


「こっ、告白!?」


突然の、しかも思いも寄らぬ質問に、私の口からは悲鳴にも近いような声が出る。


クラスの人たちから、何事かと言わんばかりの視線を浴びた私は恥ずかしくて顔が熱くなった。


「ごめんね、いきなり変なこと聞いたりして。もし、告白したことがあれば、その時のことを聞いてみたかったんだ」


「実は、今まで告白どころか恋もしたことないんだ…。恋してみたいとは思うんだけど…」


「そっか…。私は、恋愛なんて全く興味なかったんだけど、ちょっとしたことがキッカケで、気付いた時には恋に落ちてた…」


それって、もしかして…ヨルさんのこと?


ドクン…と鼓動が鈍い音をたてて跳ねた。


「その人の傍に居るだけでドキドキして、会話できると嬉しくて、もっと色んな表情や仕草を見たいって思うの」


どうして…


頬を赤らめながら嬉しそうに話す橘さんを見て、私は切なくなってるんだろう?





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