初恋のキミは最愛ヒーロー
「莉彩ちゃん…?どうしたの?」
「あっ、ごめん…!ボーッとしてた……」
アハハ…と取り繕うような笑いで誤魔化す。
私ってば、壱夜くんの初恋のことで頭がいっぱいになっちゃって、一瞬…ここが外出先だっていうのを忘れてた。
いかん、いかん……。
内心…焦っていると、桃舞くんが私に顔を近付けてきた。
「あのさ、気になってたことがあるんだけど、莉彩ちゃんって、壱夜のこと……好き?」
近距離で放たれた突然の質問は、壱夜くんに対する気持ちに関するもの。
驚きのあまり、私の口から“えぇっ!!”と裏返ったような変な声が出てしまった。
「それって、いつ頃から…!?」
「うーん、そうだなぁ…。俺と莉彩ちゃんが初めて会話した時から何となく。だって、壱夜と仲良くしたいとか友達になりたいって思ってる女の子って珍しかったから」
そんなに早くから…。
は、恥ずかしい…。