初恋のキミは最愛ヒーロー
Act.7
勇気を出して、キミに告白
「はぁ……」
壱夜くんに自分の気持ちを伝えるって決意したのに……
実行に移せないまま、一週間が経ってしまうなんて。
机に頬杖をつきながら、窓の外に広がる景色をボンヤリと眺める。
“好き”
この二文字を好きな人に伝えることが、こんなにも難しいとは思ってもみなかった。
とりとめのない会話は普通に出来るのに、告白をしようとすると、たちまち心臓がバクバクと大きな音を立てて鳴り始める。
今まで経験したことのないような緊張に襲われるんだ。
紫葵ちゃんはスゴいな。
きっと緊張したはずなのに、それを乗り越えて夜本君に告白したんだから。
よし、私も見習って頑張らなくちゃ!
心の中で意気込んでいた時だった。
「……おい、莉彩」
「ひゃっ!!」
いきなり耳元で名前を呼ばれた私。
悲鳴に近い声を上げながら立ち上がると、両耳を塞いで顔を歪めている壱夜くんの姿が目に映った。