初恋のキミは最愛ヒーロー
その後、壱夜くんに移動カフェショップの説明やオススメのメニューなどを話すこと約30分。
複数の店員さんたちが効率よく作業をしていることもあって、思っていたよりも早く購入することが出来た。
私はカプチーノとスティック状のアップルパイを注文。
壱夜くんは“何でもいい”というスタンスだったので、私がブレンドコーヒーとチョコチップ入りのスコーンを選んだ。
バレンタインの時にチョコが好きだって言ってたし、このお店のスコーンは看板メニュー。
きっと壱夜くんも美味しく食べてくれるだろうというのがチョイスした理由だ。
「ここ、人が多いし座るところもねぇから移動したいんだけど」
「そ、そうだね」
カフェの回りにはパラソル付きのテーブルとイスがいくつか設置されてるけど、どれも使用中。
もともとイベントスペースにあったベンチもみんな座ってる。
カフェの雰囲気を味わいながら食べたかったけど、この状況じゃ仕方ないな…。
名残惜しさを感じながら、賑わう移動カフェを後にした。