初恋のキミは最愛ヒーロー
「碧瀬さん、王子と仲良いよね~」
「王子から会いに来るとか羨まし過ぎるよ」
「最近、よくお喋りしてるよね!碧瀬さんと王子!」
矢継ぎ早に話し掛けてくる女の子たち。
興味津々な眼差しが凄まじくて肩をすくめた。
壱夜くんとの会話が減ってしまって以降、桃舞くんや玲音くんと話すことが増えた。
休み時間や放課後に私のところに来てくれて、他愛ないお喋りをする感じだ。
多分、私と壱夜くんの間に何かあったんだろうと察していて心配してくれてるんだと思う。
もしかしたら、既に壱夜くんから理由を聞いているのかもしれない。
だけど、私たちがギクシャクしていることには触れたりせず、今までと変わらない雰囲気で接してくれる。
それが、とてもありがたかった。
「この前も聞いちゃったけど、王子とは本当に付き合ってないの?」
「うん」
「あんなに仲良しなのに?」
「と、友達だよ」
あまり納得がいってない様子の女の子に苦笑いしてしまった。