初恋のキミは最愛ヒーロー

「アイツのこと、そんなに好き?」


「えっ…」


「俺じゃダメ?」


玲音くんは私の手をギュッと握る。


「俺だったら、迷うことなく碧瀬の気持ちを受けとるのに」


先ほどまでの穏やかな表情とは違う、真剣な顔。


「あの、それってどういう……」


戸惑いながら訊ねようとした時、急に玲音くんの顔が近付いてきて……


彼の唇が私の額に少しだけ触れた。


「碧瀬のことが好きってことだよ」


「………」


温かい唇の感触と告げられた言葉に驚きすぎて、声も出せない。


固まってる私を至近距離で見つめる玲音くんは、優しく笑った。


「遊園地で俺が碧瀬に出した問題の答え、ようやく言えた」


そう言えば、みんなと行った遊園地で、玲音くんと飲み物を買いに行った時。


“これが、どういう感情なのか、この答え…分かる?”


玲音くんに、そう聞かれた。


でも、私には答えが分からなかった。


玲音くんが正解を言おうとしたところで壱夜くんが来たから、結局あやふやに終わってたんだっけ。


あの頃からずっと…


玲音くんは私のことを……



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