初恋のキミは最愛ヒーロー
「黒河内と想いが通じる可能性がある限り、俺は碧瀬を応援するよ」
「どうして…そんな風に言ってくれるの?」
玲音くんのこと、フッてしまった私に。
「好きな人には幸せになって欲しいから」
「えっ…」
「本当は俺が碧瀬を幸せにしたいけど、それは叶わないし…。だったら、アンタが幸せになれるように背中を押したいだけ」
「玲音くん……」
そんなの、優しすぎる…。
目頭がジワリと熱くなるのを感じていると、玲音くんは私の背中に優しく手をあてた。
「両想いになれるといいね、アイツと」
「……うん」
「もしも、また黒河内のことを諦めたくなったら、その時は今度こそ俺を選びなよ。まあ、そんなことは無いと思うけどさ」
冗談っぽく笑った玲音くんは“頑張れ”と私の耳元で優しく囁く。
そんな彼に、私は笑顔で“ありがとう”を伝えた。