初恋のキミは最愛ヒーロー
その後、隣町の駅前まで送ってくれた玲音くんと別れて電車に乗った私。
最寄り駅に戻って来た。
よし!
明日から、もう一度頑張るぞ!
とりあえず、前みたいに壱夜くんとたくさん会話をしていこう。
放課後も、また一緒に帰りたいな…。
そんなことを頭の中に巡らせながら、駅前のスクランブル交差点で信号待ちをしていた時。
私の視線が、道路を挟んだ斜め向こう側の歩道の街頭の下で立っている男性のところで止まった。
あの人…。
少し遠目だし、こちらに背を向けているから確実ではないけど…
背格好や髪型が壱夜くんによく似てる。
黒っぽいパーカーにグレーのデニムパンツ姿っていうのも壱夜くんっぽい雰囲気だし。
もしかして、本人…!?
こちらに顔を向けたりしないかな…。
っていうか、信号が青になったら向こう側に渡って、確認すればいいよね…。
ソワソワしながら待っていた時、突然その男の人のもとに制服姿の女の子が駆け寄って来たかと思うと…
その人の腕にギュッと抱きついた。