初恋のキミは最愛ヒーロー
な、なんだろう…?
ものすっごく見られてる…。
何か言いたげな視線が気になった私は、彼女たちのところへと駆け寄った。
「あの、私に何か用事ですか?」
「あなたが転入生の碧瀬さん…だよね?」
「は、はい…。」
ぎこちなく頷くと、茶髪のボブヘアーの女の子が私の手首を掴んだ。
「ちょっと話があるから、私たちに付き合ってもらいたいの」
「えっ…」
有無を言わさずにグイグイと私の手を引っ張っていく女の子。
他の二人の女の子も、一緒についてきている。
この状況は、どういう状況なんだろう?
突然の強行手段に、疑問符ばかりが頭を占める。
訳が分からないまま、私はどこかの空き教室へと連れて来られてしまった。
きちんと扉が閉められて、密室の静かな空間。
掴まれていた手は解放してくれたものの、私は3人の女の子たちに囲まれた。