初恋のキミは最愛ヒーロー
しばらくベッド脇に腰を下ろして様子を見守っていると、聞こえてきたのは小さな寝息。
どうやら眠ったみたいだ。
これで体をゆっくり休めれば体調も回復すると思うけど…。
莉彩を一人にして帰るのは心配だな。
確か、お母さんが帰ってくるのは夜になるって言ってたっけ。
隣県に行ってるとなると、帰りが夜の遅い時間帯になる可能性だってある。
次に目が覚めた時には水分とった方がいいし、何か食べられそうなら少し食事だってした方がいいけど…
キッチンに移動するのも食事の用意するのも、体調が悪い莉彩には負担になるはず。
「………」
とりあえず、傍に居よう。
自分の家に帰って、気が気じゃない状態で過ごすよりは、ずっといい。
そうだ。
スポーツドリンクとか食べ物とか冷蔵庫に入ってるか確認してみるか。
もしなければ今のうちにコンビニに買いに行ってくればいいし。
立ち上がって部屋を出ようとした俺だけど、莉彩の机の前で足を止めた。
整頓された綺麗な机の上に置かれている、ベージュのフレームのシンプルな葉書サイズの写真立て。
それを見た瞬間、俺は目を見開いた。